走る!うつ病ランナー!

”うつ病ランナー”ERTS ふーたのラン・トレランブログ

山岳スポーツの危険性と自己防衛について

僕は5/23に行われた櫛形ウインドトレイルを途中棄権しました。何故かといえば、「自分の技術で下山できることができない」と判断したからです。

 

この日コース全体に弱い雨が降り続いていました。路面は柔らかくなり、先に走るランナーが滑ることで後続ランナーがより滑りやすくなる悪循環が生じていました。トレイルランではよくあることです。

 

ただ、櫛形ウインドトレイルは基本的に同じルートを行って帰ってくるコースです。登りで通過したルートは後に下りで通らなければなりません。また、31km参加者と18km参加者の約150名が通過するため、非常に滑りやすくなると予想できました。

 

第1エイドの羽黒駐車場通過後の400m登る箇所があり、登っている途中に一度止まって振り返り、「これは無事に下ることができない」と思いました。

 

過去のレースでも滑りやすい下り坂で大変な目にあったことがあります。2019年の越後カントリートレイルです。ここも八石山の下りが滑り台のごとく滑りやすくなっており、何度も転倒し、滑落しかけたことがありました。

【参戦記】越後カントリートレイル51.5km - 走る!うつ病ランナー! (hatenablog.com)

 

その経験があり、(今回のほうがより急勾配な)滑りやすくなった下りを通って転倒や滑落するリスクを負いたくないと判断し、止めました。

 

おそらく経験豊富なトレイルランナーであれば、問題なく下りきることが出来たと思います。実際大会終了後に怪我を負ったという話はありませんでした。ただ、僕の技術では無事に下れる自信はありませんでした。

 

今回の判断が正しかったのかは今でもわかりませんが、自然を相手にする山岳スポーツにおいて、安全を第一に考えるのは重要であると思います。

 

例えば風雨の中走っていると低体温症になるリスクがあります。夏場であっても雨に長時間打たれていると身体が冷えてしまい、動けなくなる可能性があります。また、予期せぬ高温により熱中症や脱水症状になることもあります。夏場以外でも発症するリスクはあります。

 

5/22~23に中国・甘粛省で行われた100kmのトレランレースにて21人が亡くなるという痛ましい出来事がありました。

中国の100キロマラソン、出場者21人が死亡 悪天候で(BBC News) - Yahoo!ニュース

【追記あり】2019年UTMF2位のリャン・ジン Liang Jing 梁晶を含む21選手がレース中に死亡、中国・甘粛省のトレイルランニング大会で天候急変 | DogsorCaravan トレイルランニング・スカイランニングのオンラインメディア

 

このレースは累積標高が3000mと低く必携装備にジャケット等がなかったと言われています。コース前半の約1000mを登り下りする箇所があり、その地点を通過中に天候が急激に悪化し、風雨が強くなり雹が降るなどが起こり、気温が急激に低下、さらに視界も悪化したとのことでした。

 

その際に視界悪化によりコースロストするランナーや気温低下により低体温症を発症したランナーが多数出たとのことです。その後捜索・救助活動も悪天候により難航したため、21人のランナーが亡くなってしまう事態となりました。

 

このようなケースは稀であると思いますが、天候の急変によりレース続行不可能になることはトレランではあります。その場合は主催者判断により、事前に判断された場合はコース短縮や中止、レース中であれば短縮や打ち切り・天候が回復するまでレース中断などが発生します。2019年のUTMFがいい例かと思います。

 

ただ、レース中の場合は天候が悪化してから判断が下るまでにタイムラグがあります。また、その決定が下されてからも最寄りのチェックポイントまで移動する必要があります。その間をどうするかが重要になります。

 

以前にも書きましたが、僕はだいたいのトレランレースではサバイバルブランケットを携帯します。必携でなくても装備に入れています。

粟ヶ岳スカイレース(薬師レース)の装備と展望 - 走る!うつ病ランナー! (hatenablog.com)

 

コンパクトになるレインジャケットも携帯します。最低でもジャケットがあれば多少風雨はしのげますし、多少の保温性もあります。

 

最近のトレランレースでは必携品のチェックが厳しくなってきました。それもこのように山岳スポーツである以上、天候の急変や滑落等が発生した場合に対処する方法を持っていることが重要となります。それにより自力で対処できたり、救護が到着するまでしのげる可能性が高くなったりすると思います。

 

20kmを超えるトレランレースなら僕は以下のものを必ず携帯します。

・レインジャケット(雨合羽やビニール袋では防げないので防水性のあるものにする)

・サバイバルブランケット

・ファーストエイドキット(絆創膏やテーピング、ポイズンリムーバーなどを入れる)

・水分(スタート時最低でも500mLは携帯する)

・ジェル(想定使用量より2個くらい余分に携帯する)

スマートフォン(ジップロックに入れておくとよい)

・ホイッスル(ザックについている場合が多い)

 

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ファーストエイドキットとサバイバルブランケット

どうしてもゴールしたいという気持ちはよくわかります。ですが、無事に帰還できることで次回以降またレースが出来るわけです。結果も重要ですが、プロでないので結果が生活に直接関与するわけではありません。少なくとも一般市民ランナーであれば安全優先で大会に参加すべきではないでしょうか。

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